Real Hostage-3年A組- Ⅲ (ページ14)

今日:9 hit、昨日:2 hit、合計:306,643 hit

case6-14 ページ14

.

A(本当に坪井先生なのかな、)

話し合いが終わりを告げた後も
この疑問が頭から離れない。

でも、証拠がない。

涼音の証言がある今
それが唯一の証拠になってるのは確か。

「また黄昏てんのかよ」

うーん、とまた廊下のベンチでぼーっとしてると

教室から出てきた人が
そう言いながら隣に座った。

須永「…何だよ」

何だよ、と
そっちを見たら、同じ事を言われ

…別に

そう思って、また顔を戻した。

須永「何考えてんだよ」

A「何も」

須永「甲斐となに話してたんだよ」

A「……」

それは、何で聞くの。

須永「おい」

別に、

A「大した事じゃない」

本当だよ。事実。

須永「そうかよ」

A「…何で怒んの」

須永「怒ってねぇよ」

……

須永「お前、何考えてんのか分かんねぇよ」

A「…」

それ、

須永「だから「だったら」…あ？」

A「話しかけないで」

あんたには一番言われたくない。

須永「何でそうなんだよ、人の話最後まで聞けよ」

A「聞きたくない」

須永「おい、」

何で、こんなにイラつくのか分からない。

本当に体調悪いのかも。

そう思いながら、
逃げるようにトイレへ歩いた。

須永「待てって」

A「…」

須永「おい！」

それなのに、トイレの前で腕を掴まれて

須永「お前体調悪いだろ」

違うって、

須永「熱は」

A「ほっといてよ！」

熱を確かめるように
おデコに手を当ててきた須永の手を振り解きながら

イライラが爆発する。

A「もうほっといてっ…」

なのに、何故か涙が出てきて

…弱ってる

それは確かなのかもと、そう思いながら

また逃げるように
トイレの中へと逃げ込んだ。

.

.