『傷付け合って生きようか』~season III~

_7 ページ9

コブラside








___『ほんとに、本当にもしもの事があったら…どこかを裏切るかもしれない。それが山王なのか…RUDEなのか…』








いつか、あいつが無名街の奴だって知った時


あいつは…
俺ら山王も、RUDEも大事だっつってた。


あいつは裏切るかもしれないっつったが、
結局、山王もRUDEも守ってた。




だからAだけじゃない。
RUDEの奴らを見てれば分かる。


街も、家族も大事なんだってこと。







それなのに西郷は、









西郷「Rascolsは繁華街…ケツ持ち。」


「鬼邪高は看板？」


「達磨は…祭りの利権か？」






RUDEだけじゃねぇ。

SWORDを馬鹿にしやがった。







西郷「そんな下らないもん守るほど、警察は暇じゃないんだよ？」






Rascolsも、



鬼邪高も、



達磨も、







大事なもん守ってんだよ。


それをこいつは、









西郷「しかしまぁ…そろそろ潮時じゃねぇのか。こんな古びた商店街にしがみついて、何になるのかと言ってるんだよ！」








さっきからふざけやがってッ








ヤマト「おい、今なんつってた」




西郷「おーおーおー、ほーら、すぐ怒る」







ヤマトも思うことは同じで、

西郷にまた詰め寄る。






けど西郷は


『大人になりなさい』


それだけ言って去っていった。








ヤマト「何なんだよあいつッ！」



テッツ「嫌な感じっすね」



ダン「ほんまや！…それよか、コブラAに連絡してみぃや」






西郷の後ろ姿を見つめる俺を他所に

またヤマト達が話し出す。



そんな中のダンの言葉に気づいて







コブラ「あぁ」







『お前らでもいいだろ』


そんな疑問が浮かびながら
あいつの連絡先を探す。




でもまぁ、




ヤマトやダンがしたとしても

後々掛ける予定だったが、、。









.









まだ少し
黒煙が立ち昇る無名街の空を見上げて








ヤマト「どうだ」



コブラ「…出ねぇ」







電話の向こうで鳴り響く無機質音に






『早く出ろよ、』






その言葉と


無性に焦りが加速する





.








.

_8→←_6

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す