『傷付け合って生きようか』~season III~

_36 ページ38

.









.








広斗「…」




A「…」








.






話せない。


話さない。




無言のまま歩く無名街。



少し前を歩く広斗。

その背中をいつも追いかけてた。








.









.





A「…ねぇ」





広斗「…」





A「何で…」








.









無名街を出てすぐの所で

振り絞って声を出した。




聞きたい。

あの日、何で居なくなったのか。







.









.








広斗「…お前がムゲンだって、知ってたんだよ」









.









.




聞きたいことを聞けなくて


でも広斗はそれが分かったのか話し出した。









.









.




広斗「兄貴居なくなって、探してる途中でムゲンとやり合って…」




A「…」




広斗「ムゲン…解散したって聞いて、俺らも兄貴ちゃんと探さなきゃって」




A「…」




広斗「でもお前、ムゲンあったし、無名街の奴とかいたし…何かあったらお前面倒だろ」







.









.







そこまで聞いても、

何がしたかったのか分からなくて。




でも、









.









.




広斗「兄貴探して、またムゲン時みたいになるの嫌だったんだよ」




A「…」




広斗「兄貴がもし…危ねぇことに首突っ込んでたら…」








.









.







それを聞いて、



この人は何でこんなに、、









.









.





A「…馬鹿じゃん」




広斗「…あ？」




A「勝手すぎ…」







.









.








私がムゲンだと知って



尊にぃを探すことに危なさを感じて



怪我したらムゲンや無名街の人に
何思われるかって考えて



それで家から追い出した。








別にそこまでしなくても、、








.









.





広斗「…お前が怪我すんの…嫌なんだよ」









.







そう言って


腰を引き寄せられて

怪我したら頬に手を添えられた。





どうしてそんなに、、




優しいの









.









.









,









.









雅貴「広斗ぉ！！」








.









.

_37→←_35

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す