ユナカイト治療院にて！【派生作品】 (ページ15)

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ユリアとお喋り≪3≫ ページ15

「悪魔と天使といえば、マキせんせはゲルマって知ってる～？」
「……名前は知っているのだよ。それがどうしたのかね？」

ゲルマといえばゲールマキナが昔医者として活動していた時に使っていた名前である。
今はただの医者、マキナ先生として生活しており、昔のことはあまり人に話していない、むしろ隠してきたのでゲールマキナがゲルマだと知る人は少ない。

「一般的にゲルマは666の宝石人形を拐った詐欺師で悪魔だと言われているよね～」
「そうであるな。とんでもない悪魔である」
「でも、一部の宝石人形の間ではゲルマは天使と呼ばれているんだよ～」
「なぜ？」

ユリアは立って話すのもなんだからと自分が先に座りゲールマキナもイスに座るように仕向けた。ゲールマキナはそれに乗りイスに腰掛ける。そしてユリアに昔のことがバレたのか、探られている段階か、それともこれはただの雑談なのか考えながら慎重に話の続きを促した。

「拐われた宝石人形はまだ見つかってないけど、フェリア街で見たという噂があるんだよ～。拐われたとは思えないほど元気で幸せそうだったんだって～」
「ほう、その噂が本当ならいいことであるな」

実際、ゲールマキナは拐った宝石人形達に住むところを与え、一人でも生活できるように仕事を探したりと支援していた。

「それに、拐われた宝石人形の主人は日常的に宝石人形ちゃんを痛め付けるのが趣味のゴミばかりだったらしいよ～」

ゴミといった所でユリアは持っていたコップを握りつぶした。机にガラスの破片が散らばる。
ゲールマキナもあの主人達を思いだして気分が悪くなる。ユリアをあいつらに会わせたら全員56すのだろうなと思いながら机の上のガラスをさっさと片付けた。