ユナカイト治療院にて！【派生作品】 (ページ1)

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ユリアの訪問≪ユリア、リカナ編≫始ページ1

「やっほ～、マキせんせ。元気～？」
「おや、ユリアじゃぁないか。今日どんな可愛子ちゃんをつれてきてくれたのかな？」

ユナカイト治療院のドアを勢いよく開けて入ってきたのは九十九ユリアだった。
ユリアはよく捨てられた子を保護して連れてくる治療院の常連さんである。
治療院の医者であるゲールマキナは友人の訪れにニヤッと嬉しそうに笑うと快く部屋に迎え入れた。

「いやー今日はこの子の定期検診にきたんだよ～」
「あ、あのマキナ先生、今日はよろしくお願いいします！」
「おぉ！リカナくん！！私に会いにきてくれたのだね！嬉しいよ！さぁ、再会の熱い抱擁をかわそうではないか！」
「うわぁ！！」

ユリアの後ろからおずおずと顔を出してペコリと挨拶したのは九十九リカナであった。
リカナはエメラルドのように輝くグリーンとアメジストのように美しい紫のオッドアイをもつ宝石人形と呼ばれる心をもつ人形の少年である。
元々可愛いもの好きであるゲールマキナはリカナの顔をみた瞬間、愛のままにわがままにどこぞの三世よろしくジャンピング抱きつきキッスを決め込もうとしたのだがそれは目の前にいたユリアに頭を捕まれ阻止された。

「マキせんせ、リカナは俺のだからセクハラはやめてくれるかな？」
「た、ただのスキンシップである。やましい気持ちなど1mもなかったのだよ」
「つまり、99cmもあったんだ～」
「あぁー！痛いのである！ギブ、ギブ！ハインくん助けてくれたまえ！！」
「自業自得じゃないですかね」

ゲールマキナがギリギリと頭を締め付けられているのを我関せずと気配を消して部屋の隅で資料を整理していたハインヴィッヒはそっけなく答えた。
ハインはたまにゲールマキナの助手として治療院のお手伝いをしている無愛想ながら何かと気のきく宝石人形の青年である。
四人はそれなりに顔を合わせる仲で、集まれば騒がしくなるのは何時ものことであった。