医者と私２ (ページ17)

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私から距離を取り謝る船長さん

捲られた服を直し向き合う

「….私は、その気持ちに応えられません」

シャ「…わかっているさ。無理矢理しようとしてしまった。悪かった。」

反省の意がすごく伝わった
彼の目があまりにも哀しそうだったから

「まだ、私は船に乗っていたいです」
シャ「！」
「彼のそばにいたいから、」

ホンゴウは私をいつも想ってくれてる
私だって彼が大切

シャ「…行ってやれ」

はい、と一言言い外へ出た

「ホンゴウッ！」

倒れている大きな人間の隣に佇む男

ホ「っ！A！」

抱きつけば背中へ回された温かい手

彼は勝ったのだ

ホ「よかった、無事で」
「ごめんね、ちゃんとホンゴウの側にいれば、」
ホ「俺が悪いんだ。お前を守れなかった」

すまないと呟かれ、抱きしめる手が少し強くなる

「ありがとう、」

私を探してくれて、助けてくれて、
彼に愛されてると実感できた
彼の思いが嬉しかった

ホ「帰るぞ」

「うん」

ホ「痛ってぇ、」

口元や手足からは血が出ている
自分より数倍大きな人間と戦えば、いくら彼でも深手を負う

「私が手当するよ」

ホ「それは楽しみだ」

笑うホンゴウに私も笑みをこぼす

何気なく笑い合える時間が
昔の私には必要だったのかもしれない

ただ愛を求めてるだけじゃだめだった

愛＝本当の幸せになるのはたしかではないから

今の私にはよくわかった