幸せになる為に ページ39
Aside
“僕のこと、嫌いなの？”
これ以上は彼の顔を見たくなかった。
傷つけないよう、その笑顔が崩れないよう、
好きだから、もう二度と触れまいと。
だから嫌われようとした。
でも多分、そんなのはただの言い訳で、
嫉妬だとか独占欲だとかそんなことを考えるのがめんどくさくて、もう切ればいっかって。
相手のせいにしてテキトーに理由つくって逃げて。
寝ても起きても夢の中にいるようなもやっとした感覚が、
己のクズさを痛感させる。
ごめん。
「A！おかえり。
クリームシチュー作ったんだけど、先にお風呂入る？」
「…」
分かってんだろ、その顔。
必死に笑顔を取り繕っても指先が微かに震えている。
避けられてんの分かってて、なんで笑顔を向けてくるんだよ。
「…バカじゃねぇの、お前」
「っ…。……Aの方が、ずっとバカだよ」
「は？＿＿＿＿っ、」
瞳いっぱいに溢れんばかりの雫が、揺らめいていた。
ぎゅっと紡いだ口から嗚咽混じりに文句が落ちる。
「わざと嫌われて、離れようとしたって、
僕がAのこと、嫌いになるわけない…っ、」
堰を切ったように流れる涙を止める術が分からなくて、
腕の下にあるぐちゃぐちゃになった顔は、見たくないもので。
…もう、分かんねーよ。
なんで真冬が謝るのかも、どこで間違えてしまったのかも。
めんどくせーって思ってるはずなのに、今すぐ家を出て行かずに寧ろ彼の方に歩み寄って、でも抱きしめるわけでもなくただただ突っ立っていて。
マジでなんなの。
「…、ごめん、めんどくさい、よね…。
別れよう、もう、……っ、」
ようやく動かした手も、そんな言葉に行き場を失う。
望んだ結果だ。
これが、俺が求めていた正解。
なのになんで＿＿＿＿＿
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ちよひめ(プロフ) - 需要あります！次の作品も待ってます。本当におもしろかったです。 (2022年8月22日 10時) (
レス) @page50 id: 7bd8410718 (このIDを非表示/違反報告)
ルム - 最高です 神作品です何回も読んでしまいます！！！更新じゃんじゃんしてください！！！神作品でもう出会えて嬉しすぎます！更新待ってます！！！ (2022年5月30日 15時) (レス) @page35 id: cfcfb7c0ae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：楽流 | 作成日時：2021年12月24日 9時
