お約束愛されじゃないんですか！？【2j3j】 (ページ10)

今日:32 hit、昨日:22 hit、合計:55,230 hit

持つべきものはページ10

「っふわぁ〜！」

チュンチュンと鳴く小鳥で目が覚める。

まるで童話のプリンセスの様な朝の目覚めに胸が高鳴った。

あんなに朝が憂鬱だったのに、この身体はすんなり起きれちゃう！

冷蔵庫に入っていたオムレツを食べ、私は元気に学校へ行……

学校へ行き……。

「…さて。どうしよう。
　よだれ鶏に夢中で道とか覚えてないんだけど」

詰んだ〜。

これで何度目の詰みでしょうか詰み将棋。

「もぉ〜、わっかんない！」

「だろうと思いましたよ。
　記憶喪失になったら性格まで変わるんですね」

「剣持っ！！と、ふっしー！」

「ピーッス。七瀬く…七瀬、さん」

「あははっ、ぴーす！Aって呼んで！」

太陽を背に歩いてくる2人が眩しすぎて目を細める。

やっぱり持つべきものは剣持と伏見だよ。

「A？」

「下の名前。七瀬Aらしい」

「Aちゃんっすね！」

「ふーん…。
　あぁそうだ、これ。部屋にあった荷物」

「わぁ！ありがとう」

剣持から受け取り、扉を開けて中にぶん投げた後、3人で学校へ向かった。

流石に周りの目線が気になる。

レオスからテキトーに誤魔化したとは聞いているが、やっぱり視線が痛い。

「悪いことしてるわけじゃないんですから、姿勢正してください」

「そういえば剣持の姿勢良いよね」

「刀也さんが猫背なの見たことない」

「…良いじゃないですか、そんなこと」

突然ツンとした態度に猫の様な愛着を覚え、にんまりと笑う。

剣持くんはツンデレ系かぁ。

主人公格ってとこかな。

「な、なんですか…その気持ち悪い笑い方」