お約束愛されじゃないんですか！？【2j3j】 (ページ18)

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野球部ページ18

研究部から出て数分。

グラウンドで野球が行われていた。

野球か〜、イケメン坊主とかいるのかな。

「こんにちは〜。見学失礼します」

ふわりと花が舞うように笑いかけ、私はしれっと日陰にある恐らく部員専用の休憩ベンチみたいなとこに腰かけた。

周りの人達はえらく緊張しており、とてもぎこちない。

何となく、攻略対象かそうじゃないかの区別が分かるかもしれない。

多分攻略対象は普通に話しかけてきたり、話しかけても明らかに頬を赤らめたりしない。

「あれ、七瀬さんいらっしゃったんですね」

「えっと…加賀美先生、でしたよね？」

「はい、加賀美です。野球部の顧問をしています。

　そうだ！良かったらマネージャーになりませんか？」

「マネージャー？
　……あぁ、ちょっと考えさせてもらってもいいですか？」

「もちろんです。ゆっくり見学なさってください」

レオスの後だからだろうか、とても良い人に見える。

あんなカッコイイ大人になりたいな〜。

結婚するなら絶対加賀美先生タイプが良い。

「林ぃぃいい！！！！！」

…いやちょっとないか？

にじさんじ、まともな人いないのかよ。春崎先輩くらいしか。

他の場所へ行こうと腰を持ち上げた途端、バカデカボイスが右耳を貫いて思わず腰が抜けた。

「わっ！！！！」

「キャッ！！！！！！！

　……へ？」

「あっはは、びっくりしました？」

「はっ…？え？なに？……たわしくん？」

一切の罪悪感もなさそうにニコニコ笑い覗き込む紫髪の彼。

ボンパだ…。ヘッドホンだ…。チャラぁ。

「渡会です！わ、た、ら、い」

「たらいくん。…あ、よだれ鶏美味しかったよ！ありがとう」

「マジすか！？良かったぁ」

ほのかに甘さもあって良かった。とても胃袋を掴まれました。

1家に1台たらいくんロボット欲しいよね。

「野球部入るの？」

「いや、迷ってます。A先輩は？」

「ぁぇ、なんで分かった？名乗ってたっけ？」

「A先輩めちゃくちゃ有名じゃないですか」

「あははっ、なんか照れるなぁ。

　でも、やっぱり部活には入らないかなぁ」

気が向いたらひょこっと顔を出すくらいがちょうど良いな、と改めて思った。