お約束愛されじゃないんですか！？【2j3j】 (ページ12)

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鬼のコーチページ12

なんと、ふわっちから聞いたところ、恐ろしいことに1時間目から体育らしい。

体育1時間目ってなかなかにキツくない？

しかもただひたすらトラックを走るだけ。

部活かよ！

体育ガチ勢だった私にしては珍しく、憂鬱だった。

私専用に用意された更衣室で、ジャージに着替え、ふわっちからもらったヘアゴムで髪を結っていく。

「っぱ、可愛いよなぁ…」

可愛らしいポニーテールが揺れれば、まるでお花のような匂いが鼻腔をくすぐった。

石油王とでも結婚しようかな…。

_

「先生〜、私って女の子じゃないですかぁ？
　7周のところ、2周とかには…？」

「プラス5周」

「はぁ！？ふざけっ＿＿＿」

「AちゃんAちゃんダメダメ抑えて！！」

渾身のあざとい演技も、このクソジジイには効かなかったのか、

とんでもないペナルティを課した体育教師。

危うく目の前の体育教師をぶん殴ろうとした所を、

寸前で明那くんが止めてくれたおかげで暴力女というレッテルが貼られることは無さそうだ。

「はぁっ、はぁっ、……むり、まって、ふわこ…」

「Aって意外と凶暴？さっき明那に止められてたけど」

「は？や、やだな〜ポメラニアンだよ！ねっ？」

「お先失礼しまーっす」

「裏切り者！！明日からハブるからなーっ！！」

「にゃははっ」

くっそ〜、なんで余裕そうなんだよ！！

当たり前だけど周りの人達にどんどん追い抜かされ、ふわっちと２回目のこんにちはをした。

相手にする気力もなく、私はただ懸命に走った。

ぜってぇぶっ○す、くそ外野ども。

「ったぁ〜！！終わったぁ！！！えらくない！？
　はぁっ、はぁ、っ、」

「お疲れ〜2人とも。お水どーぞ」

「マジで走り切ったんだ」

「2人とも？……はっ！ふわっち！！」

「ぁえ？」

黛くんの不可解な行動に隣を見れば、私ほどでは無いがそこそこに息を切らす不破湊がいた。

え？なに、まさか一緒に走ってくれたの…？

みんなより1周多く？私のために？

「〜っ、一生ついて行くぜ兄貴！」

「ゔぁっ」

「あはは、ふわっちまた舎弟増えたね」

「招集かかったよ、行こ」

「次は英語だっけ？得意なん＿＿＿＿＿＿ぐぇっ、」

「？どしたー？」

「筋肉痛で立てないかも…」

「「「はぁ！？！」」」