転生した先は孤児で神主に拾われた (ページ8)

今日:7 hit、昨日:3 hit、合計:42,728 hit

七話目『少し暗い』ページ8

顔が美形であると泣き顔さえも映えるのか、なんてずれた事を思ってしまうが取り敢えず泣き止んでもらった。
泣かれたままでいると更に私の信頼も落ちてしまう、頭を撫でておいた。

「真白ちゃん、お母さんが迎えに来ましたよ」

「あ、はい」

「真白！」

友達だよね、と心配そうに確認を取ってくる幼子の姿は愛らしい。
ここで首を振ってしまえば傷つくだろう、そもそも彼はなんで友達ではダメかわからないのだ。
取り敢えず、頭を縦に振っておいた。
パァッと効果音が付きそうな笑顔を見せ付けられれば後戻りはできまい。

「幼稚園、どうだった？」

「友達が一人増えたんだ」

「そう、それは良かった」

あまり母が反応しなくなった、それどころか何かに怯えているのが目に見える。
もう父しかないだろう、これまで叩かれたことはないのだろう。
大体の人はないだろう、頬を叩かれたことなど。

「！貴方、何で」

「お父さん？」

今仕事に行っているであろう父が昨日とは打って変わって笑顔でリビングに立っていた。

「喜べ！二人共、部下にな良い話をされたんだ！良い稼ぎ場がな…不甲斐ない父でごめんな！けど、これで二人を幸せにしていける」

話によれば遠くで不動産屋があり、部下が其処には知り合いがいて人手不足だったという話。
まず、不動産屋が儲かるのかどんな仕事内容かはまだ知らないが嫌な予感しかしない。