転生した先は孤児で神主に拾われた (ページ42)

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四十一話目『救う、助ける』ページ42

思い悩んだことが、顔や言葉からひしひしと伝わり壊れそうな感情がピリピリと肌に触れる。
恨みでも憎みでもない、悔しかったと助けられなかったと自分でも驚くほどに思っていた。
本当は惨めに無様に、泣き叫び逃げると思っていた。
でも現実はどうだ、助けようと個性を使い少女へと走っていった。
結果、救えなかったから繰り返してしまったから遺族の人達の謝罪を…少女へ謝罪を…もう分からなくなってきた。

『守れなかった』

誰かがそう呟いた、もう傷つかないなんて事は出来なくても癒す事は出来るのではないか、守る事は出来るのではないか。
その場にいなかった、ヴィランという奴らに狙われているなんて気付かなかかった。
確かに真白の個性は成長させていけば、何事にも勝る強さはあるだろうがまだ途中の段階、狙われるなんて事はないはず。

『何でもいいか、救われるのなら』

とある人物が、小さく大きな願いを心の中で呟いた。
俺じゃなくてもいい、真白が救われるのなら、罪悪感、苦痛、過去の亡霊から救ってください。
願った人の額からは、愛染至妙の神社の春によく見られる白い桜の花模様が浮かび上がり消滅した。

「ヒーローはさ、カッコイイんだ…何でも困っている人を救(たす)けちゃうから、だから僕はヒーローに憧れてる
未だ、よく分からないけど僕は神宮さんに救けられた」

「…？」

「ほら、ぼ僕は無個性じゃないか…だから無理だって言われる事は多くて、言わなかったの神宮さんだけだし」

それは気にならなかっただけ、可能性は大分低いがゼロではない。
それよりも夢を追いかける君が眩しくて真っ直ぐで、妬ましかった。
それでも何方も辛い事には変わりない、だから私達は満たされる為に進むのだろうなんて思っていた。