転生した先は孤児で神主に拾われた (ページ4)

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三話目『ありきたりな話』ページ4

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「お父さん、遅いな」

「なるべく早く帰るって言ってたのにね」

出来上がったケーキと料理が並んでいるが、もう冷めている。
時刻は八時を回り、もうお風呂に入って寝なきゃダメな時間帯。
だけど今日だけは、もう少し待っていようかと優しく声をかけてくれる母。
そんな母に甘えて頷く、そうこうしている間に玄関のドアの鍵が開けられる音がして走った。

「お帰りなさい！お父さっ…ん？」

「…貴方？」

お父さんは何も喋ることなく鞄を落として私と母の横を通り過ぎ、部屋へと行ってしまった。
お母さんは血相を変えて父の部屋へと行った、鞄からは誕生日プレゼントらしき装飾された箱が潰れている。

「一体どうしたの？」

「何でもない」

「いやでも…」

「すまない、一人にさせてくれ」

どうも今は話を聞いてくれる様子ではない、母はいつもの父じゃないことに身を引いた。
料理は結局、母と二人で食べた。
お母さんは安心させようと明るく振る舞う、そんな母を安心させるべく私も笑顔を取り繕った。

「…ハァ、何でッこんなことに」

飲んだくれる、事件が起こりヤケクソになり酒を浴びるように飲む。
ドラマやアニメでも見飽きた光景だ、大体そういう登場人物は誰かの過去の人に登場し家から出てその後は書かれない。
なら自分は、そういう奴らと同じく消えていくのだろうかと自傷気味に笑う。

「貴方！飲み過ぎよ」

そう言って止める妻もありきたりな話、それを癇癪で殴るのもまた普通だろう。