転生した先は孤児で神主に拾われた (ページ25)

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二十四話目『貴方に加護を』ページ25

ようやく泣き止んだものの、抱き着いて離れない焦凍。
好かれるのは嬉しいことだが、何も分からなくてこのままではどう対応したら

「僕、お母さんをいじめる人にはなりたくない」

「！…それはどういう」

「真白を悪く言う人にはなりたくない」

泣き止んだのに、事情を話すにつれ嗚咽が漏れる。
相当我慢したのだろう、齢五歳の子がこんな傷だらけになる程。
焦凍はエンデヴァーというＮｏ．２ヒーローの息子であったらしい、父であるエンデヴァーにスパルタ指導を受け母が止めに入るも暴力を振るわれたという。
聞けばエンデヴァーは万年二位のヒーロー、一位になる事を息子に託したというのは聞いて分かる。

(最下位の人より万年二位の人の方が、性格は歪んでいくもの…その飛び火が親子にかかってしまった)

「お母さんも…」

唯一味方であった母もおかしくなってしまったらしい、証拠が火傷を覆う包帯だ。
抱きしめる力を強くし頭をお腹あたりに埋める。
せめてもの助けになると信じて私は

「貴方の人生に幸あらんことを」

「！…これは」

君に神のご加護があるように、私は願います。
焦凍の額に触れそう口に出す、すると白い桜の花模様が浮かび上がった。

「小さな事であれば、何でも一つ叶います…それでも苦しい時はここに来てね」

「……うん！」

もし叶った時はその模様は再び浮かび上がり、弾けて消えるでしょう。
それは神のご加護、たった十分の一を使える私の精一杯の力です。