転生した先は孤児で神主に拾われた (ページ3)

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二話目『何かの分岐点』ページ3

私の誕生日の日、お母さんとお父さんは目に見えるほどに忙しそうだった。
けど嬉しそうで楽しそうだった、私もつられて笑顔になった。
お母さんは料理上手らしくケーキを作るのに勤しんでいた、私も手伝って明るく、それは楽しかった。

「苺、一つ余るわね…食べる真白？」

「うん！」

その時食べた苺は甘酸っぱくて幸せな味がした。

「は？何ですかこれは…」

「君だろう！惚けるな！…所構わずニヤニヤしているし、うちの社でそういうのが出られると困るんだよ」

社長がオフィスに突然来たかと思えば、自分が写っている写真。
ただそれだけではない、若く涙目の女性を触る自分が写っていた。
身に覚えがない、明らかに冤罪だがその捏造写真は技術が高く誰しもが見れば疑うほど。

「ち、違います！」

「あ、あの見たんです」

同僚の新人社員が声を震わせて目尻に涙を浮かばせて手をあげる。
後ろにはニヤニヤと気味の悪い笑顔を浮かべる、自分より年上の部下がいた。

「私、あの人が触っているところを…」

「…まさか貴方がそんな人だとは」

「ちがッ……何で」

嘘だと言って欲しかった、これは何かの間違いだと。
この話は後日と明らかに軽蔑するような目を、自分は社長に向けられていた。
何もかもが終わった気がした、よりにもよって今日に起こってしまった。
いや、もうどうでもいいか。
たった一つの仕組まれた誤解で、今まで築き上げてきた信頼も経歴も幸せも崩れ去った。