転生した先は孤児で神主に拾われた (ページ20)

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十九話目『やってないのは素直に』ページ20

数ヶ月が過ぎて年越しの準備をしなければならない、所謂初詣だ。
御神籤(おみくじ)の準備と御守りを、でも玄朱さんは半年前から手作りで準備をしていたらしい。
意外にもこだわり深い

「真白ちゃん」

「は、はい！」

「心配ですか？」

「何が…」

「大丈夫だよ、真白ちゃんは人を殺めたことなんてない、気にしてないで堂々としてな」

何でというように私の目が見開かれる、そんな私に分かっていると微笑む。

「僕の個性は結界的なものを一時的に張ったり、こじ開けたり出来るのさ、心の中は微妙だけど

最近、真白ちゃんはおんなじ事考えてるからね」

「でも、助けられなかった」

今まで閉じ込めてきた感情が溢れ出す感覚がする、あの時行動を起こしていればとあの時に叫んでても止めていればと苦悩が頭の中で次々と浮かび上がる。

「…仕方ないとは言わないよ、でも君に何が出来た？」

「！！」

「ただの三歳の子が出来ることなど知れている、思い悩むなとは言わない、ただやってないことは素直に言え」

何かから解放される感覚がした、肩の重りが外されるような。
自分は知らぬうちに認め始めていた、殺したとやってもいないことを素直に。
吐き出すことは吐き出せ、それが子供の出来る唯一の方法さと、諭される。
いいのかなんて言葉がまだ出てくる、ただ泣き顔が見られたくない一心で俯く。
ふわりと前世と合わせて二度くらいしか感じたことがない感覚が頭にあった。