転生した先は孤児で神主に拾われた (ページ2)

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一話目『ずっとこのままで』ページ2

そんな不思議な記憶は残り、前世からの性格は今も変わらない。
ホームシックというもので一時期泣いたものだが、自然と悲しくは無くなっていった。
それは前世とその家族や人間関係に執着はなく、関心がないような自分にとってはちっぽけなものだったのだろう。
謝らないことはない、そう思ってはダメなことくらい知っている。
だが前世より今の方が、色々と裕福だった。

「真白は今年で三歳ね、来年には個性が出る頃ねぇ」

「ああ、楽しみだ、父さんじゃなくヒーローになれる可能性はあるな！」

私が生まれた世界はヒロアカという漫画の世界、ヒーローなる職業が存在する。
個性という能力も存在し、八割の人間は四歳の時発現するという。
父は個性には恵まれず凄腕サラリーマンとして日夜働いているが、必ず休みを取り娘である私と遊んでくれる。
母も専業主婦として忙しいが、空いた時間に相手にしてくれる。
此処ではほっとかれないし、美味しいものが食べられる。
前はAという名前で違和感があるが、真白という素敵な名前も新たに貰えた。
裕福だった、だからこそ

「うん！私ヒーローになって、お母さんとお父さんに楽させる！だから…大好きでいてね」

「！何をこの子は、当たり前じゃない」

「どこでそんな言葉を覚えたんだか」

私を生んでくれた、私を育ててくれたこの優しい両親に恩返しをしなければなるまい。
ヒーローになって、明るい未来を歩んでお母さん達を幸せにするんだ。