転生した先は神主に拾われヒーローを目指すそうです (ページ8)

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七話目『いつもと違う』ページ8

何ともない中一の夏の終盤の日、家を出かけていた爆豪勝己。
何ともないはずだがとある一軒家の前を通った時、自分や母以上の怒号が一つ聞こえた。
誰かを責めるような声が

「何だァ？……お前」

その家から出てきたのは同じクラスの真白、何かとデクに話しかける変わった奴。
そいつはいつも以上に暗い顔をして、頬を思いっきり叩いて前を向いた。

「……あ、爆豪…さん」

「今一瞬名前出てこなかったろ」

今までの中学校生活で決して平和とは言えない事件は起きていた、そう目の前の真白はヴィランに数分間の間だが攫われていたのだ。
一時期ニュースで話題になり、外傷はないものの精神科の入院は避けられなかった。
クラスがよく騒いだもの、攫われた時何があったかは公にはなっていない。
だが真白の出てきた時の顔はニュースで一瞬映った時よりも暗かった。

「何かあったのかよ」

「え？」

「だから何があったのか聞いてんだよ！！何度も言わせるな！！」

「急に叫んだ」

爆豪もヒーローを志す者、いつも問題児で騒いで出久をいじめ紛いな事をしているが良心はなくもないらしい。
少しいつもの爆豪とは違い可笑しく思う。

「何笑ってんだよ！！」

「いや、気にかけてくれたのですか？」

「……気になっただけだ」

よく殺すだの死ねだの言う奴だが、それは若さゆえではないかな。
そんな事が新たに発見されて出久や焦凍以外にも話す頻度は上がっていった、いわば友達が増えたと言えるか。