転生した先は神主に拾われヒーローを目指すそうです (ページ7)

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六話目『昔と今と目の前の親』ページ7

涙がどうしようもない程に後から後から溢れてくる、あの子を触りたいあの子を撫でたいあの子を抱き締めたい。
まだ、まだ楽しみはいっぱいあった。
高校へ進学して、もしかしたらヒーロー科に行けたかもしれない。
そして就職して辛い事もあるだろうけど頑張って、結婚相手も見つけて…

「それなのに、別れがこんななんて残酷すぎるわよ…死にたくないのに死んだ顔が笑ってるなんて…貴女より辛いのはこっちなのよ…」

「！！」

一番前世で言われたくなかった一言、私は自分の悩みを軽視されて相手にされない事を恐れた。
だから自分の悩みを自分で軽視した、そんな事ばかりしているからどんどん溜め込んで誰にも話さなかった。
実際その程度の悩みだったろうし、虐待されている子にそんなの自分と比べてと言われるのが嫌だった。

「何か言ったらどうなの？」

「……私の不手際のせいで、死なせてしまいました」

それは前世の両親の悩み、私は面倒臭がりで何もしてこなかった。
勉強も運動も、だから成績は下がっていく一方。
最初から勉強するのが当たり前と言われてきたが違和感があり、それは間違ってると言ってきた。
教えられていないものをなんで分かんないのとも言われてきた。
テストの点を見てお前がこんな出来ないとは思わなかったと言うように呆れたように溜息をつき何も言わずに終わる。
この人は子供の事を大切に本当に大切に思っている、私の両親は分からなかった、けど一つ言えるのは今世の両親の方が遥かに自分を思っていてくれた事だ。