転生した先は神主に拾われヒーローを目指すそうです (ページ31)

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三十話目『本物のヒーロー』ページ31

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「私はこれまで、ヒーローに期待した事はありませんでした」

「…ぇ」

「ヒーローとは言っても、万全な人なんてこの世にいるはずがありません」

私が前いた、警察のように通報がなければ緊急で飛んで来たりしない。
パトロールでさえ見落とす事は数々ある。

だから皆の言うヒーローはこの世にいない。

でもこの世に存在している、オールマイトは常に笑顔を保っているがそれは痩せ我慢なのだろう。
ヒーローの重圧、もしかしたら恐怖心も抱いているかもしれない。

でも、それでもその圧に押し潰されそうになってもそのヒーローという役割を果たそうとする姿、他のヒーローもどんな人でもカッコよく…私は感じる。

「私にとってそのヒーローは職業に過ぎません。ですが誰かを救けたその瞬間、ヒーローは本物のヒーローとなれる…私はそう思っています

私はその本物のヒーローになりたい。瞬間のみのヒーローに。だからその瞬間が多く存在する職業へと私は日々精進しています」

「…何か、凄いね」

乾いた笑みをこぼしつつ、輪花が呟いた。
私はこんな大望を叶えられるとは思ってはいない、だけどどうしても望みを叶えたいと体は言う事を聞かない。

今までに感じられなかった歓喜が、今私を満たしている。
この感覚を、終わることの無い感覚を感じても良いように何者にも劣らぬ努力をし続けなければいけない。