転生した先は神主に拾われヒーローを目指すそうです (ページ29)

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二十八話目『罪を憎んで人を憎まず』ページ29

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した事がたとえ小さな事でさえも、罪と言える。
スケールは少し大きいがカッターキャーとは文字に起こせば、他人を陥れ自分を優位に立たせる行為。

卑劣極まりない。

でもそれは一時の感情の揺らぎ、行動力が主である。
しかし、許して良いのかは知るわけがない。
それは被害者が決める事、罰が決まっているだけでも良いではないかと自分の中で誰かが言う。

しかし、人間だからと言う言い方もできる。
それは言い訳にも理屈にも事実にも聞こえてしまうのは見方よってだろう。

「基本的には誰も悪くはない。結局、起きてしまった事実に誰もが苦しめられる」

「な、何言って」

悪人はヒーローになっちゃいけない。
理由はないけれど、暗黙のルールとしてそれが存在している。
疑問の声が幾つも上がるけれど、ルールとしての理由もなければその疑問に力なんてない。

「……本当にすみませんでした」

再度、輪花が頭を下げる。
吹っ切れた泣き顔を下に向けながら、悪い悪いと言っては言い逃れだ。

たった一つの事でさえ、罪と言え悪となる。

でもそれは時間によって忘れ去られ、被害者が許せば消えて無くなってしまう。
それで良いのかまだ分からないけれど

もう二度と、悪へとならぬ様に厳重に注意をして、想像をして理解をして前へ進め。

「もう良いよ。言い方がキツかった…だけどそれ相応の事をしたと理解してね」

「はい」

許せる努力を成らない努力を、謝罪ができる、理解力を高める努力を。
私達はして行かねばならないと学んだ。