転生した先は神主に拾われヒーローを目指すそうです (ページ28)

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二十七話目『善と悪は紙一重』ページ28

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私はまだ何も悪く無い。
ただ昔は何もしなかった、自分に嫌悪していた矛盾していた日々を送っていた。
今は頑張って世間の良い評価を貰おうとしている、でも新しい憧れを生き方を知れた。

だから気持ちだけは

「分かるよ。自分は悪い」

「ッ！！」

自分がそちら側だったから、善悪の区別なんて出来ないしするつもりもない。
救いがあるかないかだ。

輪花は自覚して謝罪をしている。
とっても偉いね、でも中には悪い事すら気付けず周りが悪いと決めつける人もいるんだ。
その行為は正義を振りかざすに等しい、でもやられた側は許す事なんて到底出来ない。
寛容なんて求めちゃいけない、行き過ぎた悪も盲目的な善が、私にはこの世で最も可哀想なのである。

「ヴィランはお嫌いで？」

「当たり前よ。どんな理由があっても許されない」

「それは常識ですからね。分かります」

善悪なんて見方によって、立場は変わる。
だから揺れようのない正義を持てと言われるが、いつか思うだろう。
自分は本当に正しいのかと、疑う心が。

まあ、言えることは一つ。
善も悪もどちらも辛い事に変わりはない。

被害者とて理不尽な仕打ちを受けた、加害者は何も知らずに事を行い罰を受けた。