保健室王子。(緑) (ページ4)

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「え、俺ら同じ委員会やったん」

あの会話の後の授業は、今まで以上に全く耳に入ってこなくて。終わりのチャイムがなった瞬間、弾けるように立ち上がって保健室まで走った。

「せやで。あーせやけどAは休みやったっけか、最初の顔合わせの時」
「いや、そういえばここで寝とったで、この子」

思い出した。確か昼休みに腹痛に襲われて、保健室行ったら横山先生がいなくてこの人だけで。
寝てていいか聞いた覚えがある。

「あんた、保健委員の集まり忘れてたやろ」
「そんなことない！あったのは覚えてたし行かなきゃと思ってたけど、どうしてもお腹が痛くて……」
「なわけ。俺が見に行ったとき、気持ちよさそうにぐーすか寝てたで」

「なんやお前、こいつの寝顔みたんか」

一瞬空気が凍りつく。先生、なんという爆弾発言。しかも今絶対そこじゃないし。

「ち、ちゃうわ！先生来おへんから来るまでは居とこうと思って……たまたまや！」

さっきと立場が逆転してる。さっきまでニヤニヤして性格悪そうだったのに、今は言い訳を探してる子供みたい。

「ほら、チャイム鳴ったで。さっさと教室戻り」

彼は不機嫌な様子で保健室を出て行った。不貞腐れてるらしく、かっこいいのが崩れ去ってる。

「あいつは大倉忠義。C組の保健委員様やで。仲良うしてやり」

そう言われ背中を押された。チャイムが鳴っていたのを思い出し、急いで教室に戻った。