保健室王子。(緑) (ページ3)

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「めんどくさいやないわ、お前保健委員やろ！？さぼるな！」

はいはい、と軽くあしらって消毒液の補充をする彼。先生とこんな感じで話せるのも羨ましいけど、あしらわれる先生もどうなんだろう。

「あれ、そういえばAも保健委員やなかったっけ。D組のは……この前補充したばっかやから大丈夫やな」

いつ補充しろなんて言われたっけ。多分もう一人の保健委員がやってくれたんだろうな、きっと。手間かけさせちゃって申し訳ないけど謝ることでもないよな、と一人自己完結。

ていうかこの男子C組？隣のクラスにこんなイケメンいたっけ。
「大倉はC組の保健委員やないで。F組の。C組のやつら不真面目やからなあ」

と横山先生が教えてくれた。

「まあ大倉も充分不真面目やけどな」
「誰が不真面目や！崩壊してるクラスに毎日ちゃんと行ってるだけ大真面目やろ」

え、F組って学級崩壊してるの？なんかクラスの女子が話してた気がするけど、廊下が騒がしかったせいで聞こえなかったような気がする。

「せやでー。いじめやらなんやらで崩壊状態。もう嫌やー、動物園にいるみたいやもん」
今のは。……大倉？くんの声？
「Aさんやったっけ？あんた口に出さないだけで行動とか視線に全部出てるで、聞いてないふりして聞いてるのも」

くつくつ、なんて笑い方が似合う彼。関西弁なんだなあとぼんやり考える。なんだか思考がまとまらなくて、いつも通りにこの人を印象づけることができない。

「ていうかおんなじ保健委員やねんから互いに覚えとけやお前ら」
先生の言葉も、あんまりちゃんと耳に入らなくて。

気づいたら、授業開始のチャイムが鳴っていた。