ふたりの世界。 (ページ16)

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「おーみんな久しぶりやなあ」

ゆっくり歩いてくる白い人。金髪で口についたピアスが怖そうな感じや。

「横山くん！留年回避できた？」

「まあなんとかな。おいすばる、先生めっちゃ怒ってたで。大丈夫なん？」

「お前と違って留年はとっくの昔に回避しとるから、多少の説教は平気やで」

独特なオーラがある人やなあ。ぼーっと見つめていると向こうから近づいてきた。

「丸と付き合っとる……錦戸やっけ？俺は横山侯隆。よろしゅう」

何や横、照れとるん？なんてすばる先輩に揶揄われてる。思ったより悪い人やなさそう。

「なあ丸ちゃーん、軟骨開けてーや。ピアッサー持っとるし」

「嫌やって。てかまた耳開けるん？俺下手くそやから、横山くんにやってもらい」

え、そんなん嫌や恥ずかしいとアタフタする大倉を尻目に、横山先輩を呼んだ。

「横山センパーイ！大倉がピアス開けてほしいってー」

おー、今行くー、とこっちに向かってくる先輩を見て、大倉にウィンクをした。

「今のウィンクかっこいいなー。亮ちゃーん、僕にもー」

「嫌や。ちょおくっつかんといて、重い」

あ、丸と亮がいちゃついとるーと笑うすばる先輩。ちょっと恥ずかしいけど、不思議と懐かしい感覚を覚えて、幸せな気持ちになった。