ふたりの世界。 (ページ11)

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「亮おはよ！昨日はたくさん話せて良かったわ。また土手行こうな」

ヤスは本当にうちに迎えに来てくれて、俺はインターホンで起こされた。

「おん、マルが行くなら行くわ。今日一緒に帰んねん」

そっか、とヤスは笑った。

「亮は束縛とか平気なん？」

「男にされる束縛は分からんけど、付き合ってきた子の束縛は嫌やなかったな」

「女の子の束縛はよお分からんからなあ。付き合ったことあるけど、ワケわからんかったもん」

その後恋愛に関する話や課題の話なんかをして歩いてたらいつもより早く学校に着いた。

「こんな早く来るん初めてやわ。いっつも遅刻ギリギリやもん」

「ほんまか。亮の初めて、奪ってもうたな」

なんやねんその言い方、と教室に続く階段を登りながら二人で笑い合う。ふとヤスのスマホの着信音がなった。

「……あっちゃあ。俺やらかしたかも」

ほな、また放課後なあーと廊下で別れた。

自分の席に着いてスマホを開くと、先輩からのメッセージがあった。

『やっぱ同級生の方が会話弾む？』

絵文字が付いていなくてなんて返事をすればいいか分からず放置していたら、

『明日の朝は俺が迎えに行くから、待っててな』

と来た。変な絵文字が付いていて安心する。

『今日放送委員仕事ですよ。忘れんといてくださいね』

と送ると、変なスタンプが返ってくる。早く昼休みにならないかなあ、と時間が経つことの遅さを恨めしく思った。