愛してるのに愛せない (ページ25)

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匿名の手紙 sideK ページ25

手がかりが……見つからへん。

俺は、事件の真相が全く見えないことに焦っていた。

一人で、捜査の出来る範囲もかなり限られていて、かなりお手上げ状態だった。

そんな時、埼玉県警に手紙が届いた。

(埼玉県の山奥で刺殺隊で発見された事件の犯人を知ってます。

男性の携帯に犯人のヒントがあるはずです。

では、ご検討祈っています。)

手書きで、どこかで見た事のある文字だったが、思い出せない。

名前も書いてなくて、子の手紙の差出人は、分からなかった。

でも、そう言えば犯人は携帯を持っていなく、珍しいなと思っていた。

犯人が咄嗟にどこかに隠したとしたら？

まずは、現場に行く事だ……と思い、向かった。

バレないように署を抜け出したつもりだったけど、外には櫻井がいた。

『……何しとんねん。』

『捜査……するつもりですか？』

『当たり前やろ。真相はまだ闇に沈んでるんや。』

『たとえ真相がどんなに辛いものでも？』

『それが刑事の仕事やろ。』

『……そうですか。』

俺が前に進もうとしたら腕を掴まれた。

『1人じゃ大変でしょう。俺も協力します。』

『お前……いいんか？』

『いいですよ。だって……俺だって刑事です。』

櫻井はそう言って笑った。