嫌よ嫌よも好きのうち《 Shoma.Uno 》 (ページ48)

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昌磨.

「俺、は……」

「付き合うなよ」って、「ゆづくんじゃなくて、」って、その先の言葉が出てこなくて。喉の奥で言いたいことが渋滞してしまう。簡潔に、ただ素直に、シンプルに。……かなり難しいことだ。

ゆづくんみたいにかっこいいことは言えないけど、それでもいいから、俺の気持ちを少しでもいいから分かってほしい。

「……ごめん。回りくどい言い方になるけど、許してほしい」

『う、うん、』

「これから暫くは……俺の、目の届く範囲にいてほしいっていうか……うん、」

『どういうこと……？』

昔からずっと一緒にいたから、隣にいるのが当たり前で、全然気付けなかった。……俺がAのことをどんなに必要としているのか、そして……それと、

どんな風に想っているのか。

「……分かった、ごめん。もうやめる、」

『だから何を……っ！』

そこからはもう早くて、初めからこんな風に動けていたら良かったのに、と少し後悔した。

ガチガチに固まってしまうAを、ぎゅっと抱き締める。どこにも行くな、誰のものにもなるな、って。言葉じゃなくてもきっと伝わってくれる。

「……俺以外のところに行ったら、許さないから」