嫌よ嫌よも好きのうち《 Shoma.Uno 》 (ページ35)

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昌磨.

スケート部の新入生歓迎会。いつもならこう言った場にはあまり顔を出さないけど、Aが参加すると聞いて、何となく心配になって参加者名簿にサインしてしまった。

俺の座っている場所からはAのことがよく見えるから、監視するには丁度いいと思った。慣れないお酒を口に運びつつ、隣に座るチームメイトの話に耳を傾ける。

「Aちゃんって、昔で言う真央ちゃんみたいな人なんですよね？」

「ファンも多いからねえ。ね、宇野くん」

「ああ……うん。真央ちゃんかどうかは知らないけど、人気だと思うよ」

どうやらその子はスケートファンで、小さい頃からスケートをやってはいるが、選手になるということよりもファンとしての気持ちが強いらしい。Aのことを目で追う姿が、純粋なファンのもので、何だか微笑ましかった。

「あのさ、本当に宇野くんとAちゃんって付き合ってないの？」

「……何でまた」

「いやあ、ここ最近また熱愛系の記事が増えててさ。読んでたら納得しちゃうところもあって」

「ないよ、多分……妹みたいな感じだし、ほっとけなくて面倒見てるだけ」

そう呟いてアイツの方を見ると、同期の言葉のせいであんまりじっと見ることが出来なかった。……付き合う？俺がAと？そんなの地獄だろ。