ハツコイ (( M!LK )) (ページ42)

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貴方.

『き、緊張が……』

「大丈夫大丈夫、俺がいるでしょ」

勇斗が25歳、私が22歳になった春。

仕事が安定してきたこともあり、
ついにあのことを公表する日がやってきた。

社長さんや柴田さんとは何度も話し合いを重ねてきた。

……やっと、認められたのだった。

『いきなり結婚します、なんて、皆びっくりするよね……』

「まあそりゃあね。

今日までずっと兄妹だと思ってたわけだから」

『はあああ……ごめんね全国の勇斗推し……』

「俺もAファンの男性の方に謝らなきゃ……」

結局は二人してお腹が痛くなる程緊張して、

金屏風の前に出るときには顔が真っ青。

でも、私の手を
勇斗が握ってくれる。

それだけでもう、胸がいっぱいだった。

『……ねえ、これからも、ずっとそばにいてね？』

「当たり前だろ」

『ふふ、そうだね。

勇斗は私から離れられないもんね』

「Aもでしょ？」

ぎゅ、と繋いだ手に力が込められて、

勇斗の指にはめられたそれのひんやりとした質感が伝わってくる。

今日、私たちは……

「結婚しよう、A」

『……はい。よろしくお願いします。』

末長く、そばにいることを誓います。