ハツコイ (( M!LK )) (ページ32)

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貴方.

「Aが中学生になった辺りから、ずっと好きで……諦められなかった。

血が繋がってないのは分かってたけど、それを知らないAを傷付けたくなかった。」

『お兄ちゃん……』

「でももう関係ない。

俺、諦め悪いからね、A」

お兄ちゃんもずっと我慢してたんだ。

きっと辛くてたくさん泣いたんだろうな、
私に涙を見せない彼ならありえる。

東京に行くと私を突き放したときも、

諦めるために……なのに、私、

『っ……お兄ちゃん、ごめんねお兄ちゃん、

私……自分ばっかり辛いと思ってた。
でも、それはお兄ちゃんも一緒だった、』

「そんなことないよ、」

『ううん。同じだよ。

同じだけの辛さを抱えてた、きっと』

お兄ちゃんは私の言葉を聞くと、

急にボロボロと涙を流し始めた。

「ごめん」と何回も繰り返しながら
押さえつけるように唇を噛み締めた。

初めて見た、お兄ちゃんのこんな姿。

『ごめんね、ありがとう。お兄ちゃん』

「勇斗がいい……っ、う、」

『勇斗、ありがとう』

やっと初めて兄妹になれたような、

そんな気がした。