ハツコイ (( M!LK )) (ページ31)

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貴方.

「本当にここまでで大丈夫？」

『うん！ありがとう、二人とも』

「困ったらいつでもおいで」

仁人くんと悠稀くんに手を振り、

家の方へと歩き出す。

怖くないと言えば嘘になる、
お兄ちゃんと元に戻れる自信はない、

それでも、行かなきゃ。

『ふう……』

怖くなったら、
二人の体温を思い出して。

一人じゃない。

……でも、そんな友達に出会えたのも

全てはお兄ちゃんのおかげだから。

「っ……A！！」

『お兄ちゃん、！』

だからこそ今伝えなくちゃならないことは、

たったひとつ。分かってるでしょう？

『お兄ちゃん、ありがとう……！』

「え、？」

『本当の妹みたいに接してくれたり、私の生活を支えてくれたり、いつも味方でいてくれてありがとう！

素敵な友達も、ありがとう、！！』

「A……」

『もう、迷惑かけないようにするからっ……！』

だんだんと涙で視界が滲んできて、

もう言葉が出なくなったとき
お兄ちゃんは私を思いっ切り抱き締めていた。

「何言ってるの……？！

ありがとうって言うのは俺の方だよ？
いっつも俺の隣にいてくれて、ありがとう……」

『お兄ちゃん、』

「迷惑なんて思ってないよ。

俺、Aのためなら頑張れる。
Aがいたからここまで来れたんだよ、」

お兄ちゃんは、

私の涙を拭った。

「好きだよ、A」