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21. ページ21
貴方.
「好きだよ」
『……っ！』
そう言って、甘い笑顔で、
綺麗な女優さんを抱き締めるお兄ちゃん。
お兄ちゃんがこんな顔するなんて、
私でも知らない表情があったなんて、
そう思うと胸がズキズキと痛くなった。
「俺のそばにいて、離れないで」
「……カット！」
カットがかかった瞬間、
お兄ちゃんと女優さんは恥ずかしそうに笑い合った。
……あ。やだ、なんか、
泣きたいわけじゃないのに
目の前が涙で滲んでいく。
お兄ちゃんの演技に感動しただけだよね。
多分、そう。きっと。
それ以上の気持ちなんて、ありえないでしょ？
『柴田さん、あの、お手洗い行ってきてもいいですか…？』
「全然いいよ……ってAちゃん、顔色凄く悪いけど大丈夫？」
『車酔いしたかもしれません！ごめんなさい！すぐ戻ります……！』
このままここにいたら、
お兄ちゃんに泣き顔を見られてしまう。
そう思ったら、
どこかへ走り出していた。
『っ……やだ！』
こんなぐちゃぐちゃな私、気持ち悪い。
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しおみるく - 面白いです。更新楽しみにしてます！頑張ってください！！ (2017年12月13日 13時) (
レス) id: 281520950b (このIDを非表示/違反報告)
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