ハツコイ (( M!LK )) (ページ13)

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貴方.

「はい、どうぞ」

お兄ちゃんの大きな手が離れて、

私の目の前には
たくさんのイルミネーションが輝いていた。

冷たい空気のせいか、

輝きは増して見える。

『きれい……！』

「だろ？人が少ない時間帯狙ったんだよ。

ほら、クリスマスとかだとカップルとか多いでしょ。」

いたずらっ子みたいに笑うお兄ちゃんは、

私にマフラーを巻いてくれた。

ふとそれを見てみると、
どうやらお兄ちゃんからのプレゼントのようで。

……幸せだなあ、本当に。

「ちょっと早いけど、クリスマスプレゼントね。

当日に渡せる自信なかったし、長いことマフラー使ってたでしょ？新しいの使ってほしいなって思って。」

『ありがとう、そんなに考えてくれてたなんて』

「そりゃ……大切な、妹のためじゃん」

『へへへ、何か照れるなあ。

私もお兄ちゃんのプレゼント、頑張って考えるよ』

私がそう返すと、

お兄ちゃんは「そうだなあ」と呟いて
私の頭を優しく撫でた。

「こうしていつも俺の隣にいてくれるだけで、本当に十分だよ。いつもありがとう、A」

『……お兄ちゃん、』

「ほら、冷えちゃうからもっとこっちおいで？」

『わっ、』

お兄ちゃんに後ろから抱き締められるような形で

イルミネーションを見上げる。

あったかいのに、何だか切なくて
胸の奥がきゅっと締め付けられるような感覚。

何でかな……

「来年も一緒に見れるといいね」

『そう、だね』

これじゃまるで、

私がお兄ちゃんに恋してるみたい。