押してダメなら押し続けろ II《 Shoma.Uno 》

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貴方.



『もうどうしたらいいの……このままじゃ私都合のいい女から変われないよ』

「話が飛躍しすぎだよ、どうしてそんなに悩んでるわけ？」




ベッドに座り直し、そう言って聞いてくる昌磨くんに、渋々こうなった経緯を説明すると、たちまち笑いを堪え切れないといった表情に変わる。




「何馬鹿なことしてるの……16歳の女の子をどうこうしようだなんて思わないよ」

『それもそれで悔しいからやめて！どうこうしようと考えてよ！』

「犯罪者にはなりたくないからね」




もうすっかり余裕な顔の昌磨くん。そんな彼を見ていると、最早苛立ちに近い感情がふつふつと……
女として見られないとか、年齢を理由に言われたくない。色気ならそこら辺の大人にだって負けてないんだから。……演技中に限るけど！




『もう！人が真剣に悩んでるのに……』




「大体昌磨くんは……」とこの機会を利用して日頃の不満を晴らそうと語り始めた私の足が、ベッドに引っかかってもつれる。これは、神様の悪戯か、それとも……

私の背中を押そうとしてくれた優しさか。物理的にも押されちゃったよ。

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