押してダメなら押し続けろ II《 Shoma.Uno 》

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昌磨.



「……寝てたら悪いかな、」




色々な取材を終えて、ホテルに着いたのは夜遅くだった。Aちゃんの部屋の前に来たのはいいものの……何を話せばいいんだろうか。ただ何となく話したくて「待っていて」と言ったんだけども。

……とにかく、会えばそれなりに話題もあるだろう。意を決して部屋に付いているインターホンを押す。




「……」

「はーい……って昌磨くん！」

「新葉ちゃん？あれ、ここってAちゃんの部屋じゃなかった？」

「遊びに来てたの！……A！昌磨くんだよ！ほら起きて！」




相変わらず凄い勢いの新葉ちゃんは、枕に突っ伏していたAちゃんを引きずり下ろすと、俺の方へ連れて来る。寝ていたわけではないのか、目もパッチリと開いているAちゃんは、俺を見て笑った。




『あ、あはは……新葉がうるさくてごめんね……』

「全然。仲良いんだね」

「Aと昌磨くん程じゃないよ〜！じゃあね！」

『あっ、ちょ、ここ私の部屋……！』




新葉ちゃんに閉め出されてしまったAちゃんは、「あっち座ろっか」とロビーの方を指差した。

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