ファッションオタク【 海月姫 】

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貴方.



「Aか、よろしく」


『よろしくお願いします』






それとなく握手を交わしたけど、

何だか大きな手だった。


そんなことよりも、
蔵子さんが身に付けている服たちは

私が気になっている新作ばかり……！！






『つ、付かぬ事をお伺いしますが、蔵子さんがお召しになっているそのスカートも、トップスも、コートも……！！全て今季の新作ですよね？！』


「おお、凄いね。詳しいんだ。

こんなので良かったら今度家来なよ、たくさん見せてあげるから」


『え……！』


「でも今は、Aの部屋にあるお洋服について聞かせて？」






そう言った蔵子さんは、

私の部屋全体を見渡した。


壁一面にかけられた服たちは、
ただ鑑賞するために集めたものばかり。

私なんかが着てしまうのは、服に申し訳ない。






『私は、お洋服を見る専門なんです。身に付けられるほどの魅力はないので、こうして眺めているだけで精一杯です、』






それだけで幸せになれるんだから、

服って凄いなあ。

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