じゅっつぶ ページ10
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私と2人は住む世界が
違うんだろうなぁって。
…ってなんで私…
寂しくて悲しい、なんて思ってるの？
2人のことなんて…全然興味なんかないし
関係なんかないじゃん。
なんてことを思っていると…
？「お姉さんも大変だね。」
『え？』
顕「あ、俺…阿部顕嵐って言います。」
真っ黒なスーツをすらりと着こなした
茶髪の男性が話しかけてきた。
阿部さんは私に
ワインの入ったグラスを手渡すと
私の持っているグラスに
自分のグラスを軽くぶつけた。
『…乾杯？』
顕「お疲れ様…ぁ、そうだ。
もしよかったらこのパーティーの後さ…
一緒にもう一軒行かない？」
グラスを傾けて誘うような目つきで
私に聞いてくる。
今すぐにでも…行きたい。
今すぐこの場から逃げたい。
いなくなりたい。
あの2人の顔をしばらく見たくない。
今夜だけでも忘れたい。
阿部さんは私の顔が少し暗いのに気づいたのか
私に若干近づいてきて
耳元でかすかにこう言った。
顕「…もうどっか行っちゃう？」
私の前に軽く手を出す。
私は返事をする代わりに
…その手を握った。
その場をあとにするとき…
廉と目があったのはきっと…気のせい。
私を連れた阿部さんは
どこか知らないホテルへと歩いて行った。
部屋の中は普通の茶色を基準とした
モダンな部屋だった。
顕「まさか…こんな可愛い子が
釣れるなんて思わなかったよ。」
『ふーん…暇つぶしで
こんな私に付き合ってくれるの？」
顕「…困ってる女の子を…
放っておけない主義なんでね。」
ソファに座る前に私の正面に立って
腰を手をまわすと…
顕「…酔ってる？」
『ちょっと。どうして？』
顕「目がすっごい…誘ってる。」
『もっと誘ったら…
顕「…誘わなくても襲う。」
阿部さんは私が言い終わる前にそう言った。
そういった後…どちらからともなく…
キスをした。
.
.
.
…はずだった…。
あと数ミリのところで止まった。
顕「…お出迎えだよ。」
『……ぇ…？』
そんな声が聞こえて目を開けると
阿部さんの見ている方向を見る。
廉「すいません…勝手に入ってしまって。
でも…
そいつだけは勝手に入ってでも
あなたに渡すわけにはいかないんです。」
…社長…！？
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作者名：聖マイン(第１号) | 作成日時：2017年9月19日 0時
