よんつぶ ページ4
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紫「美味しいやろ?」
自慢そうな…でも少し心配そうな顔で
そんなことを聞いてきた平野くん。
悔しいけど…私が作ったものよりも
美味しいかもしれない。
『美味しいです。…すごく。』
私がそう言うと安心した顔で席に座って
気の抜けたような声を出す。
どれだけ心配だったんだろう?
すると平野くんは
社長の方を向いてこう言った。
紫「廉の料理ってやっぱ美味しいねんな。」
…は?…もしかして今のって…
社長が作ったもの!?
あ、そういえば2人って弁当交換してたっけ?
廉「俺の料理がうまいんは当たり前やろ。
おい、次これでも食べれば?」
さっきのじゃお腹膨れないだろうし…
なんで社長らしくない優しいセリフを言って
“弁当ごと”渡してくれる。
『いやいや…これはさすがに。』
遠慮をしたつもりで言うと
好きなだけ食べな、って言われた。
お言葉に甘えてオムライスを食べると…
玉子は薄すぎず分厚すぎずいいくらいで
ケチャップライスも偏っておらず…
絶妙にいい線を行っていて
すごく美味しかった。
『…美味し…。』
つい口からこぼれたその単語は
作った人を幸せにする単語はらしくて。
紫「ほんまに!?やった…!」
想像以上に喜んでいる平野くんを
見つめていると一瞬目が合う。
廉「そんなんいいからはよ座れや。」
冷たく言う社長も社長だけど
はしゃいでる平野くんも平野くんだよね。
1人で自己解決させながら2人の様子を見る。
やっぱり2人は仲が良くて
上司と部下みたいなところは仕事中だけ。
『…ごちそーさまでした。』
紫「おそまつさんでした!」
廉「それアニメのキャラな。
お粗末様でした。
また一緒に食べよな。」
社長がそんなこと言うなんて…
私はなんだか社長の意外な一面を知れて
なんとなく優越感に浸りました。
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作者名:聖マイン(第1号) | 作成日時:2017年9月19日 0時