みつぶ ページ3
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食堂にはあまり人がおらず
社長もいつもの女の取り巻きが居なくて
若干ホッとしているらしい。
廉「ほんま女ってめんどいわ。」
紫「僕はモテモテな廉が羨ましいけどな。」
席に座りながら愚痴をこぼす社長に
笑顔で言葉を返す平野くん。
…と2人ともカバンの中から
平野くんは赤色の
社長は青色の袋を取り出した。
紫「はい、廉の分。」
廉「ん。紫耀のもな。」
それを交換している2人。
…男ふたりして弁当交換って
どうかと思うけどな。
と、私はそんな2人を置いといて
カバンの中からおにぎりを1つ取り出す。
すると前に座っている2人が騒ぎ出す。
廉「紫耀って料理うまいなぁ。」
紫「生まれたてやからな。」
廉「いや、それを言うなら生まれつき。」
紫「え?…いや生まれたてやろ?」
廉「生まれたては生まれてすぐって意味やからな?」
紫「そうなん!?生まれつきなんや。」
…なんのことについて討論してるのよ。
生まれつきと生まれたての
違いがわからないって。
そんなことを思いながらおにぎりを頬張って
2人の何気無い会話を聞いて食べ終わる。
…でも2人がベラベラ仲良く
しゃべりすぎて全然弁当の中身減ってないし。
私帰っちゃダメなのかな?
もう1つおにぎり持ってこればよかった、
これじゃお腹いっぱいにならない。
なんて思ってぼーっとしていると…
廉「…おーい。」
なんて声をかけられる。
社長の声に反応してハッと顔を上げると
にこりと微笑む平野くんと
少し不思議そうな顔をしている社長。
紫「今日の昼ごはんおにぎり1つだけ?」
『うん。そうですよ。』
廉「そんだけで足りんの?」
『ちょっと少なかったですね。』
私が困ったようにそう言うと
平野くんと社長が顔を合わせて頷いた。
何をする気だろなんて軽く考えていたら
机越しに2人が…
廉「食べれば?」
紫「僕のあげるで!」
お箸で食材をつかんでこっちに差し出す。
…た、食べろと?
『いやいや、いいですよ。お二人のですし。』
私が首を振って遠慮すると
平野くんが私の横に来て
子犬のような目で見てきたので…
『じゃあ…ひと口だけ。』
紫「ん。…はい、あーん!」
『…ぁ…あーん。』
口の中にお肉を入れると
舌の上で溶けるようにになくなった。
『…美味しい……。』
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作者名:聖マイン(第1号) | 作成日時:2017年9月19日 0時