じゅういちつぶ ページ11
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廉「ほら、行くで?」
差し出された手を見つめる。
今、こと手を取ったら
きっと私の中の何かが音を立てて崩れるはず。
でも…阿部さんにはもう…
顕「…これ、持ってって。」
そう言って渡されたのは…
メールアドレスと電話番号。
阿部さん、全部お見通しなのかな?
『また…連絡します。』
顕「うん。待ってるね。」
阿部さんにそう言うと
可愛らしい笑顔で私に返してくれた。
社長の後ろを追ってホテルを出る。
ホテルを出た瞬間…
社長が気の抜けたように崩れる。
廉「ビビったぁ…
だってお前が阿部と会場出て行くんやもん。」
子供のような困り笑顔で私の手を握る。
社長、なんだかんだ言って
私のこと心配してくれたんだ。
『ありがとうございます。』
廉「社長として社員を守るんは
当たり前やからな!」
いや、まぁそう言う意味じゃないんだけど
そう言う意味でもあるか…
でも部屋に入ってきたときの
社長の目が社員を見る目っぽくなかったのは
なんで?
確かに今社長は私を一社員として扱った。
でもなんか違う。
違和感がある。
それが私の気持ちなのか、
社長のココロのうちなのか、
関係ないけど…平野さんが関係してるのか?
今の所全くわからないままだった。
〈次の日〉
紫「おはよー!伽耶ちゃん!」
『平野くん?』
紫「やっぱ伽耶ちゃんがいい!」
『はぁ…。』
無駄に元気よく駄々をこねる。
元気よく駄々をこねられましても…
ダメなものはダメなんだよねぇ?
紫「ぁ、そういえば伽耶ちゃん。
この前廉が言ってたけど
今度伽耶ちゃんの提出した案を発表したいから
資料まとめて…社長室こいって言ってたで。」
…えーーーーー。
なんか気まずいじゃん〜。
昨日こともあるし、
確か今日って阿部さんが来るにだよね?
もう、気まずいのが
重なって重なった日になんでこんなことが。
…まさか…
社長図ったな?
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作者名:聖マイン(第1号) | 作成日時:2017年9月19日 0時