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ひとつぶ ページ1

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『…はぁ…。』




何度目かわからないため息をついて

デスクと向き合う。



残りの資料の量は100枚…くらい。



これひとつひとつ点検して…

計算して…明日の朝に提出する。




『こんなの無理でしょ…』




Enterを押してキーを押して

入力するけど



全然終わってる気がしない。


そんな愚痴を言いながらやっていると…




廉「…俺の会社もブラックんなったなぁ。」


『…私に言われましても…社長。』




ドアのそばの壁にもたれながら

ポツリと言ったセリフを一応拾っておく。


って…いつからいたのよ。




廉「そんなんやってたら明後日になるで?」


『それでもやれって言われたんです。』




落ち着いた口調で言った社長は


私の方に近づいてくると

資料の山を見てうーんと唸った。



唸るくらいなら手伝って欲しい…。



なんて思っても社長なので

…年下だけどね。




廉「手伝って欲しい?」


『…正直言えば手伝ってくださると

ありがたいです。』




隣のデスクの椅子に座って

缶コーヒーを飲みなから突然聞いてきた。



私は社長に嘘はつけないと正直に言うと




廉「ん。…正直やな。」




そう言ってコーヒーの最後の一口を

ゴクリと飲み干して




私の頭をふわりと優しく撫でると



私の横に積まれた資料の3分の2を掴んで

部屋を出て行った社長。




『ちょ…社長。』


廉「何?」


『それ、なんか持って行き過ぎ…です。』




社長の手を指差して

心の中にある勇気を振り絞って言う。



すると社長は微かに笑って




廉「…はよ終わらせろよ。」




そう言い残して去っていった。



…社長って…なんか不思議。


社長が自ら手伝うなんて

普通はありえないはず。




…やっぱ変なの。




ー次の日




紫「おはよー伽耶ちゃん!」




私の肩を軽く叩いて

にこやかにそう話しかけてくれたのは


後輩の平野くん。




『平野くん、先輩には

敬語を使ってください。』


紫「え〜…伽耶ちゃんは伽耶ちゃんやもん。」




隣のデスクに荷物を片付けながら

頬を膨らませて子供のようになる平野くん。




『平野くん。社長に怒られますよ。』


紫「廉はそんなにすぐ怒らんで。」




なんか…平野くんは社長と仲良しみたいで

何かと一緒に遊んでるらしい。




『友達でも一応社長なんですから

敬ってあげてください。』


紫「はーい。」




ちょっと拗ねてた平野くんでした。

ふたつぶ→



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作者名:聖マイン(第1号) | 作成日時:2017年9月19日 0時

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