僕のことが嫌いな彼女。 (ページ3)

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3話ページ3

「そういうところが嫌いです！」
そう言い自分の案を書き連ねた紙を強く机の上に置いて出ていってしまった。

『事実なのになぁ』

少しでも話せたことが嬉しかった。でもAさんの地雷は未だによく分からなかった。
結局その後の委員会作業は全部俺がやってそそくさと帰るつもりだった。
「あの、さっきは勝手に帰ってごめんなさい……仕事代わりにやってくれてありがとう。」
そんな丁寧なところがとても好きだ。
『んー？いいよ笑俺もいじりすぎちゃったし笑』
「吉沢さんのこと誤解してました……。ごめんなさい。」
『まあ。そんな経験あったら誰でもそうなるよ笑』
「ありがとうございます……優しいんですね。笑」
にこっと笑う彼女の顔に耐えきれなくて笑みがこぼれる。
「いつもの笑い方と違いますね笑」
『あー笑緊張でヘラヘラしてるだけだから』
「意外。吉沢さんも緊張するんですね。」
『そりゃするよ。俺顔だけなんで。』
「よくその自虐してますよね。」
『え、山田くんにしかしてないけど』
「あんなでかい声で喋ってたらさすがに聞こえます。」
『あはは笑ごめんね笑』
『廊下で話してるのもなんだし、一緒に帰らない？』
「帰り道一緒でしたっけ？」
『俺あっちの駅の方面』
「あ、同じだ。一緒に帰りましょう。」

帰りの電車でふと敬語なのが気になった。
『敬語辞めれない？』
「しばらく敬語なしで喋ったことないので……」
『珍しいね。話してみてよ』
「話せと言われましても……」
『敬語』
「厳しいね。」
『距離感じるのあんま好きじゃない。』
「吉沢くんでも人とある程度距離取るようにしてま……してるよね。」
『あ、バレた？てかよく知ってるね。』
「話す人いないから人間観察が趣味になってて笑」
『すごい観察力だと思うよ。』
「山田さん愛知出身ですよね。あちがう。だよね。」
『正解。凄いねAさん』
「敬語外せって言うなら吉沢くんもさん付けやめてよ笑」
『うーんじゃあA』
「っ///」
「一気にハードル上げますね。」
『Aも俺の事名前で呼んでよ』
「亮くん……、？」
「やっぱり恥ずかしい無理吉沢くんがいい」
Aの声が聞こえないくらい脳がショートした。
好きな人の名前呼びってこんなに破壊力が凄いんだ。
自分のチョロさに驚く。
「……ざわくん？吉沢くん？、」
『あぁ、ごめんごめんぼーっとしてた。』
「いきなり固まるからびっくりしました笑」
『敬語〜……』
「びっくりした。」
『よろしい。』