【サマーウォーズ】飛び越えて

3話 ページ4

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(これは…でかい…)



家の方へ近づいてみるとその大きさは一目瞭然。高さというか幅。広いという表現の方が正しいのかもしれない。何坪あるんだろう…



(家というかお邸みたい)



中の構造を見たわけでは無いので断言は出来ないが、一般の民家ではない気がする。だいぶ古風な感じで古き良き。



スタスタと歩いていると、先程見つけたお勝手口付近の換気扇がクルクル回っておりそこから湯気が立ち上っているのを見つける。



(ご飯が炊けた匂い。お料理中か…)



いい匂い、なんてのんきに考えていたのも束の間。ある重大なことに気がついてしまった。



(そういえばここ普通に他所の敷地内だし、歩き回ってるの明らかに不審者なんよ)



スタスタ歩くのをやめて今度は足音をたてないようにそっと歩き出す。



それでもやっぱり好奇心の方が強いため足は止めない。もし見つかったらボールを探しているとでも言っておこう。ボールを探す歩き方じゃないっていう意見は受け付けない。



ここがどこなのか、現実なのかそうでないのか。そのことについてはいくら考えても仕方のないことなので、私の中では夢という結論を出した。きっと明晰夢とやらでも見ているんだろう。



(でもすごいな明晰夢って。温度も風も音も匂いも全部はっきり分かる)



起きているときと全然変わらない。木々の香りも青い空も犬の鳴き声も、まるで田舎に遊びに来てるみたい。そう、ワンワンつってね。私に向かって元気に吠えてくるわけよ。



「ほらほら、怖くない……よ……」



１匹の柴犬が私目がけてしきりに吠えている。撫でに行こうと１歩進んだ瞬間、ここが誰かの敷地内だということを思い出し顔が青ざめた。



バレる…！

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