10話 ページ11
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「まず、謝らさせてください。嘘をついてしまって本当にごめんなさい」
「……」
再びの沈黙。相変わらず鼓動の音は速いが次こそは落ち着いて、誠実に話したい。
「……私はとても遠い場所から来ました。それこそ隣町とか隣の県とかではなく、もっと遠い遥か彼方から…です」
初めからダイレクトに言うのも混乱させてしまうだけだろうと思ってわざと濁してみたけど、栄さんの顔を見るからに余計に混乱させている気がする。
一瞬結論を口にしそうになったが、ぐっとこらえる。もう少しだけ様子を見よう。
「今朝、今から１時間ほど前のことです。蒸し暑さで目が覚めて、辺りを見渡すと知らない場所でした。この家の裏にある倉庫のような建物に寄りかかるようにして……寝ていたのか意識を失っていたのかは分からないのですが、とりあえずそれが今日の始まりでした。
昨夜の記憶を辿っても普通に自室で寝ていたはずなので、初めは驚きで呆然としていました。だから、熱中症での幻覚とか夢の中だとか色々仮説を立ててみてなんとか腑に落ちるように考えていました」
そしてその後ボールを探すふりをして探検していたこと、柴犬のハヤテに吠えられたこと、等々を正直に伝えた。栄さんはただただ私の話に耳を傾けていた。
「……これが私の身に起きた出来事です。嘘じゃない、正直な」
素直に吐き出しすぎて逆に引かれたのでは、と思うほど。
「そうかい、それは大変な目に合ったね」
「すみま………え？あの、信じてくれるんですか…？」
てっきり手厳しい言葉が飛んでくると思っていたので思わず面食らう。だってこんな話、信じる方が難しいだろう。目が覚めたら知らない場所だなんて、当事者の私ですら最初は受け入れがたかったのに。
「嘘か本当かなんて目を見れば分かるよ」
優しく笑みをこぼす栄さん。そこで気が付く。
劇中での彼女の様子、相手の目をしっかりと見て善し悪しを判断していたあの姿を。
栄さんは私の顔を見ながら真剣に話を聞いて、その結果私を信じてくれた。
それなら、私も栄さんを信じて伝えるべきではないだろうか。
一番重要なあのこと。
そんな思いがふつふつと芽生え始めた。
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*まめ丸*(プロフ) - 坂名つばめさん» いえいえ!!はい!更新ゆっくり少しずつ頑張ってください!!ファイトです!! (2019年7月23日 12時) (
レス) id: 7b0adad536 (このIDを非表示/違反報告)
坂名つばめ(プロフ) - *まめ丸*さん» ありがとうございます〜その言葉が本当に励みになります！更新頑張ります！ (2019年7月23日 12時) (レス) id: 72f167e803 (このIDを非表示/違反報告)
*まめ丸*(プロフ) - 初めまして!!この度見させて頂いて物凄くハマりました!!おかげで元気とワクワクを貰っています!!これからも頑張ってください!!（*´▽｀*） (2019年7月23日 0時) (レス) id: 7b0adad536 (このIDを非表示/違反報告)
坂名つばめ(プロフ) - 自衛隊員さん» ありがとうございます〜！頻度上げられるよう頑張りますねヽ(^^)ﾉ (2018年12月6日 20時) (レス) id: 72f167e803 (このIDを非表示/違反報告)
自衛隊員(プロフ) - 合格、おめでとうございます！！更新を楽しみにしております！！ (2018年12月5日 21時) (レス) id: 848cb8c477 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：坂名つばめ | 作成日時：2017年8月28日 3時
