朝焼けセンチメンタル/minmi ページ11
なんとかしてでも。今日中にこの仕事を終わらせなければ。
カタカタと無機質な音が鳴り響く。その中で突然主張したクラシックに少し驚いた。
デスクの上でバイブの振動が気配を漂わせているスマホを横目に見ると予想だにしていなかった番号で椅子を思い切り引いてしまう。
まさか、の声が消えて赤葦です、の言葉が口から零れた。自分でも驚くほど弱々しいか細い声のように思えた。
まさかは的中して必要なものを手に取り社内の電気を消すと当然のごとく闇に覆われる。そんなことでさえ今の俺には不安を掻き立てるものにしかならなかった。
外は肌が割れそうなほど冷えていて、オフィスにコートぐらい持って来ればよかったと悔やむ。
息を吸うたびに肺が痛んで吐く息は白く、視界を覆っていく。
予定日は?あまり当てにならないとAは言ってたっけ。何しろ初めてで、頭が追いついていかないのだ。
この時の俺はタクシーを使うとかいう発想ができないほど焦っていたのだろう。
もつれる足を踏み切って着いた先には梟谷病院の文字が薄く照らされた看板が俺を待っていた。
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悠 - どの作品も感動しました、皆さんこれからもがんばってください。長文失礼しました<(_ _)> (2016年12月7日 22時) (レス) id: c47e427da5 (このIDを非表示/違反報告)
悠 - スタぁとさん、何突然怒ってるのが起こってるのに、また怒りが止まらないが股怒りが、になっていますよ。 (2016年12月7日 22時) (レス) id: c47e427da5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:そら、雪比良、スタぁと、柚葉、minmi x他1人 | 作者ホームページ:
作成日時:2016年12月5日 20時