先客の子 ページ9
隼side
雨上がりの夕方。
その頃コーヒーにハマり始めたばかりの俺は
素敵なカフェを見つけた。
同年代の子はあんまりいないけど
店員さん、ものすごく話しやすいし
何故か名前をつけられてない可愛い看板猫がいる。
そんな、俺にとって穴場のカフェ。
お小遣いもらっては毎回来るこのカフェに
ある日、先客が亜嵐くんと話してた。
肩くらいの髪の毛を揺らしながら
にこって笑う女の子。
制服を見る限り、近くの中学の子だな。
楽しそうに亜嵐くんと話してたかと思えば
愛おしそうに猫を撫でて
幸せそうにコーヒーを飲んで、、
そんな彼女を目で追ってた。
何が、とか具体的には言えないけど
彼女の雰囲気とか仕草とか
全部が素敵だったんだよね。
きっと、金木犀みたいな、、
そんな香りを身にまとってたりして、
なんて…
香りまで妄想して俺ほんとどうかしてる。笑
それからずっと、また、会いたいなって思い続けた。
だから、またこのお店で会えた時ほんとに嬉しくて
本当は叫びまくって喜びたいくらいで
『いいなぁ、』
って初めて聞いたその子の声、
想像してた通りの可愛らしい声で
少しおかしかった。
・
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作者名:りう | 作成日時:2020年6月21日 1時