いつかの ページ32
隼side
たいき、ってそう呼ばれたその人。
俺がこの前見た人だ。
Aちゃんと話してた、あの人。
何となく、会いたくないなぁってそう思ってた人。
隼「もしかして、一緒に帰る予定だった?」
だから、上の空だった?
この人のこと待たせてるって、だから、?
『えっと、いや、、』
大樹「いや、こっちが勝手に待ってただけなんで、笑」
隼「どうする?俺、先帰ろっか?笑」
『え、でも、』
隼「いいよ。また明日朝一緒に行こ。じゃあ!」
『えっ、、じゃあ、また明日、!』
だって、あの人、絶対Aちゃんのこと好きだろ?
缶ジュースふたつ買っちゃって、
Aちゃんと帰る気満々じゃん。
そのジュースの味も、絶対小さい頃からお決まりで、
Aちゃんはこの味なんだって
まるで見せつけてるようにも見えて
俺、そんな、勝ち目のないような人と3人で帰るとか
絶対無理だよ、笑
俺よりずっとずっとAちゃんのこと知ってる人と
一緒に帰るなんて無理に決まってる。
顔、可愛らしいし、
真面目でしっかりしてそうだし、
明るそうだし、
細いし運動得意そうだし、
いつか想像した、Aちゃんの隣が似合う人、
それがまさに、あの、、たいきって人なのが
悔しくて。
Aちゃんたちと分かれてから歩くその道。
今日はイヤホンなんかせずに真っ直ぐ帰ろう。
・
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作者名:りう | 作成日時:2020年6月21日 1時