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私はザッと地面を蹴り、真人との間合いを詰める。



真人「怒った呪いの女王は怖いなぁ。」


『五月蝿い……!』



無我夢中で攻撃を繰り返すも、流石は特級と言うべきか全て避けられる。


その最中にも、地面に突っ伏し動かなくなった元人間たちの亡骸が視界に如何しても入ってしまう。


戦意が削がれてしまう。



真人「大事な時によそ見は駄目じゃん。」


『…ぐッ…。』


腹に一発蹴りを入れられるも、何とか耐えて距離をとる。


五条の言う通り、この真人とか言う呪霊、かなり厄介である。


…ならば早めに領域展開を喰らわせた方が良いな。



そう判断した私は印を結ぼうとする…………が。


『……?!』


一瞬の内に腕と足元を何かに固定され、身動きが取れなくなってしまった。


私を抑えているのは何と手である。

下は硬い地面であるにも関わらず、にょきにょきと二本の腕が生えており私を拘束しているのだ。


ふと前を見ると真人の腕も地面に潜り込んでいた。


…完全に油断した。



この手は二、三(メートル)離れている真人のものであった。



真人「余計な事考えるからだよ〜…。さてさて、君の魂の色を見る時間と行きますか!」


手は私の鳩尾辺りに触れる。



【南無阿弥陀仏】を使いたい所だが、手が不自由な為発動出来ない。

つまり、逃げ道は無い。



『…やはり私は居てはいけない存在だったのか…。』


真人「…さぁね。幾ら君が呪霊だとしてもその思いやりの心までは分からないからね。」


『…確かに、お前は正真正銘の呪霊だからの。私の気持ちは分かるまい。』



目を静かに閉じ、その時を待つ。



が、代わりに来たのはスパッと何かが切れる音と大きな呪力。


私はこの呪力の感覚を知っていた。


…やはり来てくれたのじゃな。



私はゆっくりと目を開け、目の前の人影にくすりと笑みを浮かべた。

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まっちゃ - すごく面白いです!更新待っています (2021年8月5日 17時) (レス) id: bd6a8b3525 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:茶柱タッタ | 作成日時:2021年4月7日 20時

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