✾✾ハニーレモンソーダ✾✾

母親 ページ27

三「家どこ」


あ「いや…」






前みたいに送る気満々で問いかけてくる界


こうなれば引き下がらないことを前に身を持って知ったので







あ「あー…じゃあ前と同じとこまでで…」







と言ったが








三「……家の前まで」


あ「……そこまではいいから」


三「…なんで」








こちらを見つめる界の視線が


全てを見透かしてそうで私は思わず目を逸らす


目を逸らしたら何かあることがバレバレなのに……


すると界はため息をついてあのさ…と呟いた








三「全部話せっつーわけじゃねーよ
俺も言いたくねーことたくさんあるしな。ただ……
俺が個人的にお前のこともっと知りたい」


あ「私のこと…？」







まぁ少なからず界は信用できる人だ


ところどころ"あの人"と重なる部分もある


でも頼ってもいいのか。……分からない




怖いんだ。


私が頼ってしまえば"また"いなくなってしまうかもしれないから







しばらく沈黙が続き


何か言わなければと界の顔を見あげた時だった








ﾄﾞｸﾝｯ








あ「！！！」









界の後ろにいた人物に私の目は大きく見開かれる


私の様子に界も視線の先を振り返った


そこには……









あ「……お、母…さん？」


三「え…」








男の人と並んで楽しそうに歩く女性の姿


小学3年生の時に私を置いて出て行った母親だった








あ「お母さんっ！！！」








私が叫ぶと驚いたようにこちらを見る女性と男性


そして私の顔を見た瞬間、女性は青ざめた表情で


男性の手を引いて逃げるように私に背を向け歩き出す









あ「待ってっ…ねぇ！！お母さ……っ！！」


三「Aっ…！」








慌てて追いかけようとしたけど足に痛みが走り


躓いてしまい、その場に崩れ落ちるように膝を着いた








あ「…待ってよ……」


三「……」

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